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「機械が傾いている」。トラクターの不調は、そんなふうに気づかれることがあります。
先日入ってきたのも、そういうご依頼でした。エンジンに異常があるわけでもなく、どこかが折れているわけでもありません。ただ、置いてある姿がまっすぐではない。
原因は、後輪のパンクでした。
パンクは、車体の傾きで気づくことがある
トラクターの後輪は、人が抱えて持ち運べる大きさではありません。それだけ大きいと、少し空気が減ったくらいでは見た目に出ません。
ところが抜けきってしまうと、車体そのものが片側に落ちます。「なんとなく斜めに見える」ときは、足元を疑ってみる。今回はそれが当たりでした。
音や振動と違って、傾きは動かしていないときにも分かります。朝、作業場や納屋に置いてある機械を見たときに気づけるサインです。
普段から空気圧を見ている方なら、抜けはじめの段階で気づけることもあります。タイヤの空気圧、見ていますか?で書いたとおり、足元は見落とされやすい場所です。

外した後輪です。ラグ(表面の山)がしっかり残っているのが、写真でも分かると思います。見た目には傷んでいません。
農機具のタイヤには、チューブが入っているものがある
今回パンクしていたのは、タイヤそのものではなくて、中に入っていたチューブでした。
自転車を思い浮かべていただくと近いかもしれません。外側のゴム(タイヤ)の内側に、空気を閉じ込めるための袋(チューブ)が入っている構造です。
💡 チューブタイヤとチューブレスタイヤ 空気を保つ袋(チューブ)が中に入っているものを「チューブタイヤ」、チューブがなくタイヤとホイールで直接空気を閉じ込めるものを「チューブレスタイヤ」と呼びます。普通の乗用車は今ほとんどがチューブレスですが、農機具にはチューブが入っているものがあります。どちらなのかは機種や年式によって違います。
チューブが入っているかどうかで、直し方も変わってきます。外から見ただけでは分からないので、そこは実物を開けてからの判断になります。
パンク修理は、交換だけではない
「パンク=タイヤ交換」と思われている方は多いと思います。私もそう思っていました。
ところが今回は、タイヤもチューブも交換していません。チューブに空いていた穴を塞いで、それで直りました。
大きな部品をまるごと替えなくても済むことがある、というのは正直なところ意外でした。替えるか、塞ぐかは、傷み方を見てからの判断になります。破れ方や場所によっては塞げないこともあるので、必ずこうなるとは限りません。
足まわりの部品を替えるかどうかの見きわめは、ゴムクローラーの交換サインでも書きました。まだ使えるものは使う、という考え方は共通しています。
外して、運ぶまでが仕事になる
タイヤは大きくて重いので、機械から外したあとも人の手だけでは動かせません。

軽トラの横に立てかけたところです。荷台の高さと見比べていただくと、大きさが伝わると思います。
整備というと工具を回している場面を思い浮かべますが、実際には「重いものを安全に動かす」時間がかなりの割合を占めます。軽トラへの積み下ろしで書いたことは、修理の現場でもそのまま当てはまります。
コンバインでも同じで、稲刈り前のタイヤ交換は、外して運ぶところから始まります。
原因が分からないまま終わることもある
チューブが破れていたことは分かりました。ただ、なぜ破れたのかは分かっていません。
何かを踏んだのか、内側で傷がついていたのか、時間をかけて弱っていたのか。あとからたどれないことは、機械の修理では珍しくないのだと思います。
それでも、直せば動きます。原因が特定できないまま目の前の不具合を直す、という進め方があるのだと知りました。
▌ 足元で気づきたいこと
- 止めているときに、車体が片側に傾いていないか
- タイヤの接地しているところが、いつもより平たくつぶれていないか
- 動かしはじめに、片側へ流れる感じがないか
- しばらく置いていた機械を、久しぶりに出すとき
足元は、置いてあるときにこそ見える
エンジンの音や振動は、動かしてみないと分かりません。その点、足元は止まっている機械を眺めるだけで様子が分かります。
クローラー式の機械にも同じことが言えて、クローラ型と車輪型の違いで書いたように、支えている部分の変化は姿勢に出ます。
作業場を通りかかったときに、ちらっと見ていただくだけでも十分です。
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パンクかもしれない、と思ったら
タイヤを外すところから始まる作業なので、ご自分で直すのは難しいと思います。写真を数枚送っていただくだけでも、状態の見当はつきます。
空気圧を自分で見ておきたい場合、使うのはこのあたりです。
📝 まとめ
- トラクターのタイヤのパンクは「車体が傾いている」という形で気づかれることがある
- タイヤが大きいぶん、少し抜けたくらいでは見た目に出にくい
- 農機具のタイヤには、中にチューブが入っているものがある
- 今回はタイヤもチューブも交換せず、穴を塞いで直った
- ただし破れ方や場所によっては塞げないこともある
- 外したタイヤは重く、運ぶだけでもひと仕事になる
- なぜ破れたのかまでは分からないこともある
🔧 修理・購入は今すぐご相談いただけます
私もまだまだ勉強中の事務員ですが、まっすぐ立っていないというだけで異常が伝わるというのが、今回いちばん面白いところでした。機械は、思っているより素直に様子を見せてくれるのかもしれません。

