「そのうち使うから」という言葉を、電話越しに何度も耳にしてきました。今日はその言葉の裏にあるリスクのお話です。
「使わなくなった農機具、とりあえず納屋に置いてある」という方は多いのではないでしょうか。まだ動くから、いつか使うかもしれないから——そう思って置いたままにしている農機具、実は置いておくだけでも状態が悪くなっていくことがあるそうです。
今回は、農機具を置きっぱなしにすることで起きるリスクについて、整備士さんに聞きました。

置いたままで進む劣化
動かさずに置いておくだけの機械は、使っている機械よりもむしろ劣化が早く進むことがあると整備士さんは言います。エンジンオイルは時間が経つと酸化し、ゴムパーツも使わないまま放置すると硬化・ひび割れが進みやすいのだそうです。
燃料タンクに入れっぱなしのガソリンも要注意だといいます。古いガソリンは変質してキャブレターの詰まりの原因になり、久しぶりにエンジンをかけようとしたら始動しない、というトラブルにつながることがあるそうです。
バッテリーも同様です。放置しているだけで自然放電が進み、いざ使おうとしたときには上がってしまっていることが多いといいます。定期的にエンジンをかけて動かしておくだけでも、こうした劣化はある程度防げるとのことでした。
保管場所にも注意が必要です。屋外に雨ざらしで置かれていると、外装だけでなく見えない部分の金属部品にもサビが進みます。屋根のある場所でも、湿気がこもりやすい環境では結露によるサビが進むことがあるそうです。
「いつか使うかも」という機体ほど、実際に再稼働させるときには思った以上の修理費用がかかることが多いといいます。長期間放置された機体は、動かせる状態に戻すまでに部品交換が複数必要になることも珍しくないそうです。
早めに動くメリット
整備士さんいわく、「使う予定がないなら、早めに手放す方が結果的に得なことが多い」とのことでした。置いておく間の劣化を考えると、状態がよいうちに売却・処分を検討するのも一つの選択だといいます。
特に稼働時間が短く年式も新しい機体を「使わないから」と長期間放置してしまうのは、もったいないケースが多いそうです。状態が良いうちに手放せば査定額も高くなりやすく、逆に数年放置してから相談されると、修理費用が査定額を上回ってしまうこともあるといいます。
置き場所に余裕があるからとつい後回しにしがちですが、農機具は生き物のように少しずつ変化していくものだと考えると、定期的な見直しの大切さが分かります。年に一度、納屋の中を見渡してみるだけでも、早めの対策につながるかもしれません。電話で相談いただければ、処分すべきか、まだ使えそうかの目安をお伝えすることもできます。
💡用語ボックス:経年劣化
使用していなくても、時間の経過とともに部品の性能が低下していくことです。ゴムパーツの硬化、オイルの酸化、燃料の変質、バッテリーの自然放電などが代表的な例で、動かしていないから安心とは限らないのが機械の特徴です。
「そのうち使うかも」で置いてある農機具があれば、一度状態を確認してもらうか、思い切って売却・処分を検討するのも選択肢の一つです。
📝まとめ
農機具は動かさずに置いておくだけでも、オイルの酸化・燃料の変質・バッテリーの放電・ゴムパーツの硬化などで劣化が進みます。保管環境によってはサビも進行し、再稼働時には想像以上の修理費用がかかることもあります。使う予定がない機体は、状態がよいうちに売却・処分を検討するのも一つの方法です。
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動かさずに置いておくだけでも、機械は少しずつ変化していくのだと知りました。私もまだまだ事務見習いですが、「そのうち使うかも」の一言を聞いたら、今日の話をそっと伝えてみようと思います。

