「田植え機は田植えが終わったら出番なし」——そう思っていませんか?実は、収穫が終わったこの時期にも、田植え機のために少しだけ手をかけておくと、来年の田植えがぐっと楽になります。今回は、収穫後の落ち着いた時期にやっておきたい田植え機のお手入れをご紹介します。
「田植え機、去年から倉庫に入れっぱなしで…」というお客さんが毎年シーズン直前に来店されます。使う前に少し確認しておくだけで、シーズン中のトラブルはぐっと減ります。
整備士さんに教えてもらった、シーズン前にやっておきたいことを5つにまとめました。
▌ この記事でわかること
- 田植え機のシーズン前点検で見るべき5つのポイント
- 自分でできることと農機具屋に任せること
① エンジンオイルの確認・交換
前シーズンから交換していない場合は交換を。まずオイルゲージ(ディップスティック)を抜いて、オイルの色を見てみましょう。
- 黄〜茶色:まだ大丈夫なことが多い
- 真っ黒:交換のサイン
- 白く濁っている:水が混入している可能性あり(要修理)
汚れたオイルのままではエンジンへの負担が大きくなります。前シーズンから替えていないなら、色を確認してから判断してください。
② 植え付け爪(フィンガー)の確認
田植え機には、苗をつかんで田んぼに植えつける「植え付け爪(フィンガー)」がついています。これが摩耗や変形していると、苗の植え付け精度が落ちたり、植えられないケースが出てきます。
使用前に1本ずつ目視で確認して、変形・欠け・折れがあれば交換しておきましょう。交換は1本単位でできます。
▌ 整備士さんのひとこと
「植え付け爪は消耗品。シーズンが始まってから植え付けがうまくいかないと困るので、使う前に全本チェックするのがおすすめ」
③ チェーン・ベルトの張り確認
エンジンの動力を各部に伝えるチェーンやVベルトがゆるんでいると、動きが不安定になったり、最悪切れることがあります。
チェーンは手で触ってたるみが大きいようなら要調整。ベルトも手で押してぐにゃっとしすぎているようなら張り直しが必要です。調整方法がわからなければ農機具屋に持ち込みましょう。

④ フロート(水深感知部)の点検
田植え機の底面にある「フロート」は、田んぼの水の深さを感知して植え付けの深さを自動調整するパーツです。
冬の間に固着していると、水深に関わらず同じ深さで植えてしまいます。結果として植え付けが浅すぎたり深すぎたりしてしまいます。
手で動かしてみてスムーズに動くか確認してください。固くて動かない場合は錆びや泥の固着が原因のことが多いです。
⑤ 各部グリスアップ
可動部分のグリスが切れると、動きが固くなったり金属が摩耗したりします。田植え機にはグリスを注入するグリスニップル(注入口)が複数あります。
シーズン前に取扱説明書でニップルの位置を確認して、一通りグリスを注しておきましょう。
▌ シーズン前チェックリスト
- ☑ エンジンオイル:色を確認、前シーズンから未交換なら交換
- ☑ 植え付け爪:全本チェック、変形・欠けがあれば交換
- ☑ チェーン・ベルト:たるみを確認、ゆるければ調整
- ☑ フロート:手で動かしてスムーズに動くか確認
- ☑ グリスアップ:各ニップルにグリス注入
「自分では難しい…」と思ったら
上記のチェックを全部自分でやるのは大変です。農機具屋に「シーズン前の点検をお願いします」と持ち込む農家さんも多いです。
点検してもらいながら整備士さんに直接聞けるので、使い方の疑問も解消できて一石二鳥です。田植え直前の込み合う時期を避けて、1〜2か月前に持ち込むのがおすすめです。
まとめ
📝 まとめ
- 田植え機はシーズン前の5点チェックが大事
- 特に植え付け爪とフロートは田植えの精度に直結する
- 自分でできない部分は早めに農機具屋へ
- シーズン直前は農機具屋が込み合うので早めに動く
「田植え前に一度見てほしい」という依頼も大場農機で受け付けています。持ち込んでいただければ状態を確認してご案内します。
使い終わったあとの手入れこそ、来シーズンの調子を左右するのだと実感しました。私もまだまだ事務見習いですが、点検項目で気になる点があれば教えてください。

