「グリスアップ」という言葉、農機具を使っていると耳にすることがあると思います。地味だけれど機械の寿命を左右する作業だと、整備士さんに教わりながらまとめました。
「グリスアップ」という言葉、農機具を使っていると耳にすることがあると思います。農機具の寿命を左右する、地味だけど大事な作業です。整備士さんに教わりながらまとめました。
▌ この記事でわかること
- グリスアップとは何か(役割・目的)
- グリスを塗る場所(グリスニップルの見つけ方)
- グリスの種類と選び方
- グリスアップの頻度の目安
- 農機具屋に任せるのがいい場面
グリスアップとは?
💡 グリスとは?
機械の部品同士がこすれ合う箇所に塗る潤滑剤(油脂)。常温では半固体状で、動くと溶けて膜を作り、摩擦・熱・錆から金属を守ります。農機具では関節・軸受け・連結部など「金属が動く場所」に欠かせない存在です。
グリスアップを怠ると、部品同士の摩耗が急速に進み、異音・ガタツキ・最終的には破損につながります。逆に適切にグリスアップしておくと、同じ農機具でも寿命が大きく変わると整備士さんが言っています。
🔧 整備士さんのひとこと
「グリスアップは農機具の健康診断みたいなものです。ちゃんとやっている農家さんの機械は、10年以上経ってもきれいに動くことが多い」
グリスを塗る場所——グリスニップルを探す
💡 グリスニップルとは?
グリスを注入するための小さな金属製の突起(乳頭形)。農機具の関節・ベアリング・シャフトまわりに付いています。グリスガンのノズルをここに押し当ててグリスを注入します。
▌ グリスニップルがある主な場所
- トラクター:ローダーアーム・ドライブシャフト・ロータリーの爪軸
- コンバイン:刈り取り部・搬送チェーン軸・クローラー連結部
- 田植え機:植付け部の連結軸・走行部
- 管理機:ロータリー爪軸・ハンドル連結部
- 刈払機:ギアヘッド(機種によってはグリスニップルあり)
農機具の取扱説明書には「グリスアップポイント一覧」が載っています。わからない場合は農機具屋に「どこにグリスを入れればいいか」と聞くだけでOKです。
グリスの種類と選び方
| 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| リチウムグリス | 汎用性が高く安価。水に比較的強い | 農機具全般に使いやすい |
| モリブデングリス | 極圧性が高く、高荷重部位に強い | ロータリー爪軸など高負荷部 |
| ウレアグリス | 耐熱性・耐水性が高い | ベアリング・高温になる部位 |
迷ったらリチウムグリスが汎用的で使いやすいです。農機具メーカーが指定グリスを決めている場合はそちらに従いましょう。
グリスアップの頻度の目安
▌ 頻度の考え方
- 取扱説明書に記載がある場合はその通りに(最優先)
- 目安:シーズン前に1回+シーズン中50〜100時間ごとに確認
- コンバインは稼働時間が集中するため、稼働前と稼働中1週間ごとに確認
- 中古農機具で説明書がない場合は農機具屋に相談
よくある質問(Q&A)
Q. グリスガンは自分で買う必要がある?
A. グリスガン(グリスを注入する道具)は農機具店・ホームセンターで2,000〜5,000円程度で購入できます。農機具を複数台お持ちであれば持っておくと便利です。1台だけの場合はシーズン前に農機具屋にまとめてお願いするのも一つの方法です。
Q. グリスを入れすぎると問題ある?
A. 入れすぎると古いグリスが外に押し出されて汚れの原因になりますが、基本的には少なすぎるより多め程度ならOKです。グリスがニップルの周りから少し出てきたら十分な目安です。
Q. 中古農機具を買ったばかり。グリスアップは必要?
A. はい、中古農機具はグリスアップ状態が不明なことが多いので、購入後すぐに全箇所確認・補充することをおすすめします。大場農機では中古農機具販売時にグリスアップ確認も行っています。
📝 まとめ
- グリスは金属の摩擦・錆を防ぐ農機具の潤滑剤
- グリスニップル(乳頭形の突起)に専用ガンで注入する
- 汎用ならリチウムグリス、高負荷部位にはモリブデングリス
- シーズン前+稼働中の定期補充が農機具の長持ちの基本
- グリスアップ箇所・頻度がわからなければ農機具屋に相談を

私もまだまだ事務見習いですが、地味な作業ほど大事なんだと実感しています。場所がわからないときは一緒に確認しましょう。

