農機具屋に勤めていると、農家さんの一年のサイクルが、まるでカレンダーのように見えてきます。かかってくる電話の内容も、持ち込まれる農機具の種類も、季節ごとにくるくると変わるからです。米づくりは自然のリズムと共にあり、それを支える農機具屋の仕事もまた、季節と一緒に動いています。今回は、農機具屋から見た稲作農家さんの一年を、季節を追ってご紹介します。
春(3〜5月):田植えシーズンに向けて動き出す
3月ごろから「田植機を出してきたら動かなかった」という電話が増えます。冬の間倉庫に眠っていた機械を久しぶりに動かすと、燃料系のトラブルやバッテリー上がりが起きることが多いんです。
農機具屋の春は、田植えシーズンに向けた修理と整備でフル回転します。「5月の田植えに間に合わせて!」というご依頼が一気に来るので、3〜4月のうちに点検しておくのがおすすめです。

夏(6〜8月):草刈りと田植え後のメンテ
田植えが終わった6月ごろからは、田植機のメンテナンスが持ち込まれます。また稲が育つ夏は、畦や農道の草刈りシーズン。刈払機のトラブルや刃の交換依頼が多くなります。
暑い中の作業なので、整備士さんも大変そうです。工場の中は熱がこもるので、夏の工場は独特の空気感があります。
秋(9〜10月):稲刈り本番。最も忙しい季節
農機具屋で一年で一番忙しいのが稲刈りシーズンです。コンバインのトラブルが集中して、電話が鳴り止まない日が続きます。「今日の稲刈りに使いたいのに動かない!」という切迫した依頼もあります。
だからこそ稲刈り前の点検整備が重要で、9月前に「コンバインを見てほしい」という依頼が急増します。

冬(11〜2月):農閑期でも仕事はある
稲刈りが終わると農家さんの農繁期は一段落。農機具屋もやや落ち着きますが、農閑期の今のうちに「来春に向けての整備」をする農家さんもいます。
雪が降る地域では除雪機の修理依頼も入ります。機械を使う限り、農機具屋の仕事は一年中続きます。
よくある質問
Q. 農機具の点検は、いつ出すのがベストですか?
A. 使うシーズンの1〜2ヶ月前が理想です。田植機なら2〜3月、コンバインなら8月。シーズン直前は依頼が集中して順番待ちになり、いざ使う日に間に合わないこともあります。
Q. 一年使わない機械も点検は必要ですか?
A. はい。使わなくても燃料やオイルは劣化し、バッテリーは放電します。「久しぶりに動かしたら不調」を防ぐため、長期保管前と使用前の点検をおすすめします。
Q. 農閑期に整備を頼むメリットはありますか?
A. 大いにあります。農閑期は工場が空いているため、じっくり丁寧に整備でき、納期にも余裕があります。繁忙期の故障リスクを減らす意味でも、農閑期の整備は賢い選択です。
📝 まとめ
- 春:田植えに向けた修理・整備。3〜4月の早めの点検がカギ
- 夏:草刈り機のトラブルと田植機のメンテが中心
- 秋:コンバインのトラブルが集中する最繁忙期
- 冬:農閑期の整備と除雪機対応。年中仕事があります
Q. 農閑期に農機具屋がやっていることは何ですか?
A. シーズン前点検や在庫整理、機械の整備など、次の農繁期に向けた準備を進めています。
Q. 一年で一番忙しい季節はいつですか?
A. 田植えと稲刈りの時期が特に忙しく、電話と来店が一気に増えます。
季節ごとに姿を変える農機具屋の一年は、稲作農家さんの一年そのものだと感じています。
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どの季節も農家さんの仕事を止めないように——それが農機具屋の使命です。今日も電話を待っています。
一年を通して途切れることなく仕事があるのだと知り、農家さんの一年に寄り添う面白さを感じています。私もまだまだ事務見習いですが、その一年をこれからも近くで見ていきたいです。

