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農機具の修理で預かった機械の中から、ビニール紐が出てくることがあります。
誰かが入れたわけではありません。ネズミが引きずり込んだものです。農機具屋には、こういう形で獣害の話が届きます。
倉庫の農機具に、ネズミが巣を作ることがある
相談が多いのは、農作業場と倉庫
整備士さんに聞いてみると、ネズミの話が出てくるのは農作業場と倉庫だそうです。どちらも、機械を置いたまま長い時間が過ぎる場所です。
人が毎日出入りする場所ではないぶん、気づいたときには住みつかれている、ということが起こります。
被害が出やすいのは、施設の中に置いてある機械だそうです。トラクター、コンバイン、ふだん使っている機械、それにお米の乾燥機。屋根の下にあるから安心、とはいかないところです。
しまってある機械が、そのまま狙われます。動かさない期間が長いほど、住みつかれても気づきません。
ネズミが配線をかじる、ビニール紐を引きずり込む
実際の被害として聞いたのは、この2つでした。
ひとつは配線をかじられること。もうひとつが、ビニール紐を機械の中に引きずり込むことです。巣の材料にするためだと思われます。
やっかいなのは、これが「獣害」の顔をして持ち込まれないことです。エンジンがかからない、動きがおかしい、という機械の不調として入ってきて、開けてみて初めて原因が分かります。電装系のトラブルは水洗いでやってはいけないことでも触れましたが、外から見えないぶん見つけるのが遅れがちです。

写真は実際にかじられた配線です。外側の皮が破られて、中の線が出てしまっています。ここまでくると交換になります。
※機械や保管状況によって被害の出方は変わります。気になる場合は実物を見せていただくのが確実です。
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住みつかれてしまったら
一度巣を作られると、追い出すのは簡単ではありません。機械の被害が続くようなら、駆除を専門にしている業者に見てもらう方法もあります。まずは見積もりだけ取って、費用感を知っておくのも手です。
かじられた配線など、機械側の修理は当店で承ります。
LINEで相談する / 0539-62-2167
ネズミを寄せつけないために、できること
では、どうすれば防げるのか。ここがいちばん知りたいところだと思うので、聞いてみました。
出てきたのは掃除と殺鼠剤でした。住みつく場所をつくらないこと、というのが基本のようです。
機械にカバーをかけるのはどうかとも聞いてみましたが、効果は薄いとのことでした。かけたから安心、とはいかないようです。
粘着シートについては注意も教わりました。機械のそばではなく、離れたところに置くほうがいいそうです。
長くしまっておく機械については、餌になるものを取り除いておくこと。保管のしかたは農機具の保管場所の選び方にもまとめています。
やられやすい場所は配線だけではありませんでした。プラスチックやゴムの部品も同じだそうです。かじられた配線の交換費用は、ケースバイケースとのことでした。
電気柵の高さは、イノシシと鹿で違う
この地域で相談が多いのは、鹿と猪だと聞きました。当店では電気柵を扱っているので、畑をどう囲うかという話もときどき出ます。
猪(イノシシ)は90センチ、鹿は180センチ
意外だったのが、相手によって必要な高さがまったく違うということでした。
猪なら90センチほど。鹿だと180センチ必要になります。倍の高さです。鹿は跳びますから、低い柵では越えられてしまいます。
つまり「柵を張れば安心」ではなく、何が来ているのかを先に見極める必要があるということです。両方来ている畑なら、鹿に合わせることになります。
電気柵の設置費用は、本器も入れて10万〜15万円
気になる金額も聞いてみました。電気を流すための機械(本器)も含めて、トータルで10万円から15万円くらいが目安とのことでした。
面積や、どこまで囲うかで変わってきます。畑の形や、どちら側から入ってくるかによっても、必要な長さが変わります。
💡 電気柵とは?張った電線に電気を流しておき、触れた動物に「ここは通れない」と覚えてもらうための柵です。動物を傷つけて追い払うものではなく、近寄らせないための仕組みです。電気を扱うものなので、設置には決まりごとがあります。実物を見ながら確認するのが確実です。
どちらが来ているのか、見分ける
相手によって必要な高さが変わるなら、まず何が来ているのかを知る必要があります。どう見分けるのか聞いてみました。
足跡で見るなら、爪の形だそうです。
食べ方にも違いがあって、鹿は前歯で食べ、猪は奥歯で食べるとのことでした。
もうひとつ分かりやすいのが土の様子です。鹿は穴を掘りませんが、猪は掘ります。ほじくり返して、なんでも食べるそうです。畑が掘り返されていたら猪、と考えてよさそうです。
電気柵の張り方と管理|誰が張って、張ったあとどうするのか
費用のことは聞けたので、次は誰が設置するのかを聞いてみました。
慣れている方なら、ご自分で張ることもできるそうです。大場農機に頼んでいただいた場合は全部やります。かかる日数は半日くらいが目安とのことでした。
電源は、バッテリー・ソーラー・家庭の電源のいずれもあり、ここもケースバイケースだそうです。ひとつ目安として聞けたのが、普通のバッテリーで1か月ほどということでした。
冬の間はどうするのかも聞きました。張ったままのほうがいいそうです。張る時期は春先から秋の終わりにかけてが多いものの、最近は通年で相談があるとのことでした。
電気柵が効かない理由は、雑草と設置の仕方
張ったのに獣が入ってくる、という相談もあるそうです。原因として聞いたのは2つでした。
ひとつは柵の線が雑草に当たっていること。草が伸びて電線に触れていると、そこから電気が逃げてしまいます。もうひとつは、単純に設置の仕方が間違っていること。高さ、張る位置、本器のつなぎ方。どこかがずれていると、柵はあっても働きません。
雑草の話は、草刈りはいつやる?とそのままつながります。電気柵を張ったあとも、その足元の草は刈り続けることになります。柵は張って終わりではないということです。
▌ ご相談いただくときに、分かると助かること
- 出ているのは鹿か猪か(足跡や食べられ方でも構いません)
- 畑のおおよその広さと、囲いたい範囲
- どちら側から入ってきている感じがあるか
- すでに柵がある場合は、その高さと状態
- ネズミの場合は、機械を置いている場所(作業場・倉庫)
柵を張っても入ってくるとき
それでも入ってくる場合はどうするのか、聞いてみました。
出てきたのはワイヤーメッシュと、人的な駆除でした。電気柵のほかにワイヤーメッシュや防獣ネットを使う方もいて、使い分けは費用と設置の手間によるそうです。組み合わせて使うこともあるとのことでした。
「もう自分では手に負えない」となるのは、物理的にどうにもならない場合だそうです。そうなったときの駆除は、市町村、または猟友会に相談するものだと教わりました。
柵で入れないようにするところまでと、駆除そのものは別の話なのだと、聞いていて分かりました。
見えないところで起きている
ネズミの被害も、電気柵が効いていない理由も、共通しているのはふだん目に入らないところで進んでいることです。
機械の中の配線は、開けなければ見えません。柵の足元の草も、遠くから眺めているだけでは分かりません。農機具の保管場所の選び方でも書きましたが、置いてある場所そのものを時々見直すのは、こういう意味でも効いてきます。
📝 まとめ
- ネズミの相談が多いのは農作業場と倉庫。配線をかじり、ビニール紐を機械の中に引きずり込む
- 被害が出やすいのはトラクター・コンバイン・乾燥機など、施設の中に置いてある機械
- 被害は「獣害」ではなく機械の不調として持ち込まれ、開けて初めて原因が分かる
- 電気柵に必要な高さは相手で変わる。猪は90センチ、鹿は180センチ
- 費用は本器も含めて10万〜15万円が目安。面積と囲う範囲で変わる
- 効かない原因の多くは、柵の線が雑草に当たっていることと、設置の仕方の間違い
- 柵は張って終わりではなく、足元の草を刈り続ける必要がある
- ネズミを寄せつけないためにできるのは掃除と殺鼠剤。機械にカバーをかけるのは効果が薄い
- 粘着シートは機械のそばではなく、離れたところに置く。長くしまう機械は餌になるものを取り除く
- やられるのは配線だけでなく、プラスチックやゴムの部品も
- 足跡は爪の形で見分ける。鹿は前歯、猪は奥歯で食べる。鹿は穴を掘らず、猪は掘る
- 電気柵の設置は慣れていれば自分でもできる。大場農機に頼めば全部、半日くらいが目安
- 電源はバッテリー・ソーラー・家庭電源。普通のバッテリーで1か月ほど。冬も張ったままのほうがいい
- それでも入ってくるならワイヤーメッシュや人的駆除。駆除は市町村または猟友会に相談する
🔧 電気柵の取り扱いがあります。ご相談ください
私もまだまだ勉強中の事務員ですが、機械の中からビニール紐が出てくると聞いたときは驚きました。畑を荒らされる話だけが獣害ではないのだと、今回初めて知りました。

